駅で

小学生らしき少年たち三人が、今から電車に乗ろうとするのに、片手に虫取り網、腰には黄緑の虫かごを下げ、三人でうそ歌(てきとうな歌)を歌っていました。
「な・な・なーつやすみだ、うる・うる・うる・さーいな」「ほい・ほい・女なーんかいらないぞ」「せ・せ・せみがーびーんと飛んでった」「愛と、勇気、ともだーちなんだ」
いつの間に彼らは夏休みになったのでしょうか。意気揚々と乗り込んだ電車は、明らかに街中へとしか行きません。虫取り三人組はいったいどこに向かっているのか…彼らのことが気になるのは私だけ?私にしか見えていない幻想なのか…?
向かいに座っていたサラリーマンの目から、涙のような汗がしたたり落ちた水曜日、非常に過酷な日差しの強さです。