イルな面々/BAD BOYZ
昨日、イル*1という言葉を使ってみたのだけれど、私は本物のILLな人々を知っている事に気づきました。私が勝手にBAD BOYZと名づけたおっさん達です。とにかく子供たちがそのBAD BOYZが近くを歩くと逃げてゆくのです。無意味な威圧感満載の集団。ずっと気になっていました。バッボーイバッボーイワチュゴナドゥ?です。
病院の中にいるBAD BOYZ*2は、いつも外来待合の最後部で、足を開いてだらんと背もたれにもたれかかった姿勢で座っています。だいたい3〜5人程度でいるのが常で、かなりゆったりとしたジャージのようなもの(胸に龍や犬の刺繍)か、どこで買うのかと質問したくなる浴衣(紫色)と小さ目のスリッパかつっかけ。一番の特徴は、どす黒い顔色です。ひと目で「タフな人生*3を歩んできたんだな…」と分かります。きれい目のケーシー高峰さんを想像したらいいと思います。
見た目はライトなチンピラみたいだけれど、話してみるとごく普通の生活をされている方がほとんどでした。一度知り合いになったら恐ろしくはありません。ファッションと顔色だけがちょっと違うだけの集団です。
「どうしてあの集団はみんな顔が真っ黒なのか」という疑問を持った私は、会釈から始め、声に出しての挨拶三回ほどで世間話に持ち込むことに成功しました。なぜか病院では、自分の症状について積極的に話したがる人が多いの*4でそこで分かったことは
- みんな肝臓がヤバい
- 断酒会で知り合ったメンバーが中心(アルコール中毒)
- 動くのがしんどいけど、寝てばっかりだと危険(結局椅子で座っているだけじゃぁ…)
ということでした。私はまだ数人としか打ち解けていないのですが、主要メンバーのおじさんの情報ゲットだぜ。
二人は家の近所の断酒会に何度か参加して失敗*5。これではダメだと、家族の勧めで、断酒会に失敗した人たち用の断酒会(滋賀県・余呉湖近くの人里離れた施設で開催)に一緒に参加。二日目の夜に二人で脱出(理由は「退屈だったから」)、真っ暗な山道をコンビニ目指して四時間さまよう。断酒会の主催者が警察に連絡、パトカー二台で捜索。発見され、さんざん説教されて自宅に帰される。
二人はその後飲み友達に→一緒のタイミングで入院。ほんとに何から何まで仲良しのおかしな二人…
出てくるエピソードが粒揃いのキャラクターです。「一升瓶トイレ」「ジャックと豆の木」「授業参観日」などのいい話が聞けました。
ちょっと前に肝臓BAD BOYZが集まって話していた内容は「死にかた」についてでした。
「やっぱり、脳梗塞かなんかでポックリいきたいなぁ…」
「そうやなぁ」
「苦しまないのがええなぁ」
なんだか非常に微妙な話題だったので、なんとも言葉を挟めませんでした。つっこみたい気持ちはあったけれども*6。土気色の顔したおっちゃんが三人で…