ひげよ、さらば。/セレーゾ監督(鹿島)コメント

去り際の大事さを教えてくれる、よい記者会見です。鹿島アントラーズを率いて六年目になるトニーニョ・セレーゾ監督は非常に勝負にこだわる監督で、私はあまり好きではありませんでした。いつも審判に文句を言っていて、一点をリードしていると、その一点を守るために露骨な守備固め、時間稼ぎをするように指示、自陣に引きこもって大きくクリア、鈴木選手がファウルをアピールして倒れるの繰り返しで、対戦相手を応援している身にとってはかなり精神にくる戦術を採用している監督でした。しかし、それもアントラーズが強かったから。
セレーゾ監督が自画自賛しているように、ベテランを重用するイメージとは裏腹に、しっかりと若手を育てています。そして、チームのトップチームの練習が終わっても、若手が練習しているのに付き合って、遅い時間まで一緒にドリブルして大笑いしている監督を見てから、ちょっと印象が変わりました。
監督を辞する時に、こんなにしっかりとした、胸に響く言葉を残すだなんて、もうトニーニョセレーゾの株はストップ高です。株が市場からなくなってしまうのであまり意味はないのですが。終わってしまえばすべてはいい思い出になります。きれいに飛び立てるのは素晴らしいことですね。

ここで、この場を借りてひとことお礼を言いたい人がいる。親友の横浜FM・岡田監督からゲームシャツをもらった。レターも添えられていて、素直な気持ちが書かれてあった。私はそれを読み非常に感動したし、心からお礼を言いたい。

Q:本田にPKを蹴らせた理由は?

「人は誰でもミスを犯すものだが、長谷川のラストゲームの時、私が勝敗に固執しすぎたために彼に出場機会を与え忘れてしまった。彼をスッキリと送り出せなかったことを今でも反省している。今日は本田に感謝の気持ちを伝えたかった」

本田の引退は発表されていないですよね。