転校生 俺のアソコがあいつのアレ

「ある!」「ない!」

もし、性別が入れ替わってしまったら?という設定の山中恒の本、「転校生」。その設定だけでもう、ある程度の面白さは保証されている気がします。この本はその「転校生」を踏まえた物語のスジなのですが、男女で入れ替わるのがお互いの性器だけという設定。
なんとも奇妙な絵柄で、読み始めたときはパースがおかしいとか、人の表情がなんとなくおかしいやら感じましたが、すぐに物語の筋に引き込まれてゆきました。読み終わってから気づいたのですが、もしかしたらライトなエロ漫画?「もしついていたらどうなる?」という妄想をテンション高くドライブさせた傑作ではないでしょうか。
男女の性差とか、難しい事を考えずに読んだほうが楽しい。ただ、電車で読むのだけは避けたほうが無難です。
久しぶりにいい悪いは別にして、人に「読んでみなよ」と強くすすめたい漫画に出会いました。親しい相手にだけ教えるようにしないと、下手すると色々と誤解される上、読み終わってからなんともいえないモヤモヤに体が支配されるので気をつけてください。


03としのり面白い!

転校生 [DVD]

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尾道の中学校に転校してきた一美(小林聡美)は、幼なじみの一夫(尾美としのり)と再会。しかしその直後、ふたりは神社の階段から転げ落ち、そのはずみで心と身体が入れ替わってしまう…。
山中恒の『おれがあいつであいつがおれで』を原作に「映像の魔術師」大林宣彦監督が故郷・尾道でオールロケを敢行して完成させたジュヴナイル・ファンタジー。ふたりが入れ替わるまでをモノクロで、入れ替わってからはカラーで描き分け、また8ミリ映像も効果的に挿入しながら、古き良き町・尾道を魅力的に活写。主演ふたりの初々しく弾けた好演も忘れられない、日本映画史上に残る大傑作であると断言したい。以後も大林監督は、尾道を舞台に数多くの話題作を撮り続け、それらは「尾道シリーズ」と称され今なお映画ファンに親しまれ続けている。