若いツバメ問題

今日の夕方、私の家の周りを二十羽ほどのツバメが低空飛行で舞っていました。チチチチと騒がしく鳴きながら、短い羽根とずん胴の姿で不器用にパタパタ舞って、窓に激突したり庭の木に必死に掴まったりと、明らかに練習中のようでした。それをほほえましく眺めながら、ヨシヨシお前ら庭のイモ虫とか蚊とかを根こそぎ殺戮してしまえ!と悪の枢機卿気分で命令していたのですが、外が暗くなっても、家の庇のあたりからチチチチという声が止みません。
あまりにうるさいので、外に出て声のする方を見てみると、ベランダの手すりに二羽の小鳥が止まっていて、暗くなって怖いのか、すくんだように動けなくなっていました。小鳥の周りを旋回するように親鳥二羽が飛び回ってさあ行こうとうながすのですがビクとも動きません。私がデジカメを持ってそばに行ってみると、小鳥は首をすくめて身を寄せ合ってちらりとこちらを見るだけ。親鳥が私の顔の辺りをかすめて飛んで威嚇してきます。
写真だけ撮って、菩薩みたいな笑顔で親鳥に訴えてみましたが敵としか見てくれないようなので、私は部屋に引っ込みましたが、大雨になったとしたら雨をよけられる場所ではないのでどうしようかとちょっと心配です。
今も部屋の外で小さな声でチチチチチ・・・

二羽のツバメ

追記、23:00
チチチチという声が止んで一時間ほど、もしかして家に帰ることが出来たのかと気になり、ベランダの手すりにそーっと近づいてみました。
こちらに気づいているそぶりは全くありません。とてもぐっすりと眠っています。雨が降らなければいいのですが、外気は雨が降る前のしっとりとした、砂のぬれたような匂いに変わっています。黒いムツゴロウさんみたいに話しかけることはきっぱりと諦め、なるべく遅くまで起きていて、降ってきたら思い切って庇のあるところに移動させることに決めました。「最後の最後まで野生の力に委ねてみるよ」という本物のネイチャー人っぽい考え方をしたと自負しています。

眠るツバメをやさしく見る

ぐっすり寝すぎ、無防備すぎますよね・・・野生のことはさっぱり分かりませんが、ちょっと忠告したい気持ちになりました。「娘さん、山男には気をつけな」的な感じで。

追記:
明け方四時四十分、私の家の外はまだ暗いのに、おかしなことになっていました。ツバメが窓すれすれを飛び交っていたのですが、なぜかと思ったら、カラスがやってきて、ベランダの若手を狙っているようなのです。大人のツバメが六匹ぐらい、すこし飛ぶのが下手な若手のツバメも私の家のベランダにやってきて、カラスの気をそらすのと、ベランダで寝ていた二匹に「ヘイヘイ来いよ」とばかりに誘っています。私はすこしだけ鳥たちの声にほんとうにすこしだけ「うるさいな、すこしだけ無駄に鳴きすぎじゃないか」と思ったものの、ベランダに姿を見せることでカラスに対する威嚇を、早朝なので手を振り回すようなしぐさをすこし(さすがに誰かに見られたら世界と戦っている気の毒な人みたいなので抑え目に)したのですが、ツバメの親もまた私を敵認定しているようでもありました。私は大人だからそれに対して憤りなど感じません。
デジカメを持った私の五十センチ前を飛ぶツバメを見ることができ、ムツゴロウ的な好奇心は大満足です。ただ、速く飛びすぎて私のカメラでは捉えられないので、蚊に刺されるリスクをおかして早朝にベランダで立っている私は残念に思いました。
明るくなってきて、二匹いたうちの一羽はサッサと飛んでいったのですが、一羽が十五分たっても飛びたてません。じれて、いいことだとは決して思いませんが、お尻を押してあげるつもりで手を伸ばしたら、怯えながら落下するように飛び出して、不恰好に飛んでいきました。なんだかいい事をしたというすがすがしさと、昨日から異常な数のツバメが飛び交ったlことでベランダと庭がウンチだらけに・・・どっかに行く前に私の上を旋回とかしてもいいんだよ・・・
でもまあ、面白かったからいいやと思いました。

ぐずったほうのツバメ(若手)さよなら二秒前