記録しようそうしよう
はてなダイアリーを、読書したものの記録する場所として使うのに挑戦していきます。
25時/デイヴィッドベニオフ/
- 作者: デイヴィッドベニオフ,David Benioff,田口俊樹
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2001/08
- メディア: 文庫
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醜い犬を飼う、美しい顔をした悪党モンティ。人から好かれ、うまくやってきたはずなのに、誰かにはめられ、明日になれば刑務所に行かねばならない身となってしまいます。昔からの友達が、せめて最後の夜をと集まって過ごすけれど、モンティ対して抱く友情の気持ちと、「どうしてギャングを辞めさせなかったんだろう」という自責の念で複雑な思いをみんなが感じています。
モンティの心象風景を描かずに、周りの登場人物が感じる心の動きを、短い描写で書いている表現方法がすばらしい。会社でプレッシャーに押しつぶされそうになる友達。かなり年下の少女にぶざまに振り回される男、モンティをうらやみながらも利用する男、深く知りながらも悪く、力のあるモンティだからこそ愛した女、息子に対して何もいえなかった父親。
主人公の内面をわざと描かずに、第三者のさまざまな意見を描き、読者がモンティに対する印象をそれぞれに持つことができるという点で、白夜行の主人公に対する描き方と似ているような気がしました。
透徹で感情的でコンパクトな物語、ラストはいきなりパッと幕を降ろされるような鮮やかさ。田口俊樹さんの訳もとてもいい。
「スリーパーズ」のロレンゾが好きな人だったらしっくりくるのかも。
パパの探し物/ジョン・オファーレル/
- 作者: ジョン・オファーレル,高橋愛
- 出版社/メーカー: PHP研究所
- 発売日: 2002/07
- メディア: 単行本
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- 作者: 川上弘美
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2004/09/03
- メディア: 文庫
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パレード/川上弘美/
- 作者: 川上弘美
- 出版社/メーカー: 平凡社
- 発売日: 2002/04/25
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おめでとう/川上弘美/
- 作者: 川上弘美
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2003/06/28
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- 作者: 恩田陸
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2004/07/31
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上と外/恩田陸/
- 作者: 恩田陸
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2003/02
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しかし、読んでいる間はそんな事を感じさせないぐらいに没入できます。暗く、湿った石造りの回廊、姿は見えないが、自分を付けねらう猛獣の影。「だめだだめだ逃げろ逃げろ」と子供の頃、アニメを見て、登場人物たちに教えてあげたかった気持ちを思い出せます。
- 作者: 山崎ナオコーラ
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2004/11/20
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予想はある意味、バッチリ当たりました。字が大きくて、内容はライト。
しかし「ナオコーラ」という名前から想像していたよりは悪くない…でも…面白いかといわれれば笑顔で「ノー」と天才クイズの博士の声で答えられます。でも、つまらないというわけではないという点がすごいのではないでしょうか。三丁目に住んでいる西沢さん家のお兄ちゃんは、見かけが悪くて「コーラ洗浄のニシ」と呼ばれていたのに、自動車学校で顔をあわせ、実際に話をしてみると拍子抜けするほど真っ当な事しか話さずに、なにか裏切られた気がするのに似ています。例えが非常にわかりづらいですが。「悪くない」というのが大勝利なのか、それともいっそつまらなかったほうがいいのか考えさせられるいい機会になりました。ありがとうナオコーラ。
エリザベス・ストーン/僕はここにいる/
- 作者: エリザベスストーン,Elizabeth Stone,岡本さゆり
- 出版社/メーカー: ポプラ社
- 発売日: 2003/09
- メディア: 単行本
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とても静かなテンションで地の文が綴られています。日記を託された教師の日常と心の動きをすこしだけ挟みながら、ホモセクシュアルである少年の葛藤、弱さ、世間とうまく折り合えない行動が描かれています。痛い。とにかく痛い。少年の意図がどうだったのか、さっぱり分からないまま。モヤモヤとした暗い気持ちになりたいときにはぴったりかも……
家族狩り/天道荒太/detail
シロアリ退治に関する情報ならピカイチかもしれません。話としては長いけれど興味を持って読めました。心に負った傷とか……そんな風に書かれてもな……と……こんな感じで…を多用してしまう感じです。
とにかくシロアリ駆除と、暗いところでじっとする感じです。こんな感想、書かないほうがいいかなとも思いました。でも、シロアリぐらいしか記憶にない…
シロアリ駆除+ミステリー+心の傷ものとして捉えるといいバランスだと思ったのですが、こんなにシロアリ駆除(ここまでシロアリという文字を六回使用)について書いたら、とても気に入っている人は腹を立てるかもしれないと考えました。私は悲しい話としてもちゃんと読んで、魂の再生について考えたりもしました。
続・戦国自衛隊/
- 作者: 宇治谷順,半村良=原案
- 出版社/メーカー: 世界文化社
- 発売日: 2003/06/27
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大まかに言うと、過去に行き、歴史の流れを知った人間もしくは強力な兵器を持って歴史を塗り替えるという設定だったら大体面白くなるようです。戦国時代・新鮮組・太平洋戦争・源平合戦……
南方熊楠全集1〜3/
- 作者: 飯倉照平,田村義也,中西須美,松居竜五
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2005/12/15
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読む必要があったため、しぶしぶ読み出した本でしたが、予想以上に面白い!虎について書かれた論文を例にひくと、各国での名前の呼び方、言い伝えられていた生態、実際の報告文などをからめて、読みやすく面白い情報にまとめられています。手書きのものをそのまま見ることができるのですが、簡単なイラストと英文、恐ろしいまでの情報量で楽しめます。でも、よくよく考えると私にとってはなにも有益な情報ではないので身を入れては読めませんでしたが。仕事でなく、楽しみで熊楠の本を読むという人は、天才の思考を追って楽しむのかなと考えましたが、よくわかりません。
神が書かせた思い出・全盲女性のアメリカ留学/大空社
タイトル通り、全盲の女性が古い時代に船でアメリカに留学した時の日記。キリスト教系の福祉団体に属していたため、「神が書かせた」というタイトルになっていますが、宗教っぽさはそれほどなく、単純で素朴な感想が書かれた日記。
渡航する前日の緊張、船旅でのあたらしい発見。まるでその場所に自分がいるかのように感じられる文章で、全盲の方にそぐわないな言葉なのですが、いきいきと目に見えてくるような描写でした。
ここに記してみた本は、読んでみて面白かったと思える本ばかりです。本当につまらなかった本については書いてありません。
日本むかし話について、あんまり同意してくれる人がいなくてとてもガッカリしました。チャングムと変わらないぐらい視聴率はあるはずだし、みんな好きだと思うのですが、どうしてなのでしょうか。本気で大人が見てもしっかりと楽しめるいいものだと思っているのですが。水曜日の夜、6時55分からです。一回見たら、きっと気に入ります。本気で見たら面白いのに……
味わい深い話をひとつどうぞ。
http://www.digital-lib.nttdocomo.co.jp/kikakuten/mukashi/mukashi3/soramame.html
*1:素で「あれ、どうしちゃったのだろうと思うほど