さわやかという意味 ジャパン

ジャパン


人間が言葉を使ってコミュニケーションをとる時、どうしても言葉が足らずに誤解を生んでしまったり、伝えたい気持ちを表現する言葉のチョイスを間違えがちです。
言葉の選択ミスの場合、意思の疎通がうまくいかなかった時は相手の顔色がサッと変わったり、途中で応対がぎこちなくなったりと、おかしな点や改善すべき点が目に見えた形でわかります。


言葉足らずでなく、頭の中で考えたことをツルッツルの未加工でそのまま相手に伝える人は、しばしば雑な剛速球を相手に投げつけて、相手にドスッと傷を負わしたまましれっとしてすまし顔。

送り手側は「自分の気持ちをストレートに伝えた」という気持ちしかなく、受け手側は「そうですかでもそんなこと言われても……でもこの人的には決して間違ったことは言っていないし微妙に思う自分は意地が悪いな」となんともいえないモヤモヤが残ったまま。二人の関係性が親密な場合、「言いっぱなしすぎるよ」的な指摘をしても、「別に悪気はないんだけどな……」で終わってしまい、指摘された側がよく間違って納得しがちなのは「自分はどうしても素直に言い過ぎるんだよな、正直すぎるのも考えものだ不器用でねぇ」と斜め方向にポジティブに考えてしまうものです。

と、ここまでゴチャゴチャ書いてみて、これはなんとなくそれらしいことを解説して書いているみたいだけど、あまりにもうすぼんやりとして意味はよくわかんないな…… あんまり感じもよくないしと反省しながら、どうしてこんなことを考えたという元ともいえる、みなさんに伝えたい写真を掲載します。


さわやかジャパン
おそろしいおじさんのイラストの隣に書かれた「さわやか」という文字。どちらかというと「さわやかさ」を微妙に減退させている気がします。


この写真は、関西近郊に点在する、おそろしいおじさんのイラストや人形でおなじみの安売りスーパー、ジャパンのものです。この店近辺を車で通過する度、あのイラストは逆効果じゃなかろうかと心配になる気持ちもあり、横目でチェックしていたのですが、いつからか、店の看板や内装周辺に書かれている文字が気になって気になってしかたありません。一度気になると、見たくないはずなのに目で一生懸命追いかけてしまい、いつもなんとも言いようのないモヤモヤした気持ちです。


さわやかジャパン
うつろに中空をにらむ、瞳孔が開きっぱなしのおそろしいおじさんが信頼感を強調。


そんなに「安いよ」「かんばってる」「信頼できるよ」「貢献します」という気持ちをアピールされると、明らかに怪しい人が「怪しそうに見えるけれどあやしくないんだよ」と言っている感じで不安になります。
ここに書かれたコピーを誰かが考えつき、それを看板を制作する会社に発注し、そして取り付ける場所を設定し、業者がそこにはしごを持ってきて取り付けているんだよね…… と考えると味わい深い。


さわやかジャパン
神の視座?



さわやかジャパン
企業理念ぽいけれど、企業理念は経営サイド上部にいる人が自分の内に秘め、実際の経済活動のなかで発揮し、顧客の中にそれが浸透するようにしてほしい……


ジャパンが会話の中に出てくると、仕事で付き合いのあるおじさんは「きびのだんごっていう漫才師がジャパンの娘に婿養子に入ってそれで離婚したで、かつみさゆりのかつみと組んで漫才やってたで。コンビの名前はどんきほーてや。どんきほーてがジャパンに入ったんやからおもしろいな」と衝撃を受けるぐらいの頻度で必ず話してくれます。話しながら毎回おじさん爆笑、私はたぶんちょっと困り顔で笑ってる。数え始めてから七回は確実に聞きました。



後で気づいたのですが、ちいさく「幸せになろう!」という文章も看板の中に入っていました。確かに幸せになりたいな……