ミドリムシと私

ミドリムシは湿気が好きである。いつも私のお尻の穴の中に入ったままほぼ一日を過ごす。
性格はちょっと臆病で、そのくせ好奇心が強いときているから扱いが難しい。
だいたい全長は5センチぐらいで、太さは1センチ弱。お尻の中で暮らしているくせにきれい好きで、汚れた体を一日中身繕いして鮮やかなグリーンの体色を保っている。

穴倉の中で暮らしているくせに暑さには意外と弱い。最近テニスを見よう見まねで会社の同僚と行うようになった私が、昼休みに一戦終えて体温を上昇させると、チロチロとはい出てきて、言葉は悪いが私のきんたまの裏でじっとしている。そんな時にトイレに行き、様式便座に腰掛けると、股の間からどこが目か分からない顔でじっと私の顔を見る。ミドリムシの視覚がどの程度発達しているのかは分からないし、たぶんほぼ見えていないのだろうけれど、トイレで何度か顔を合わせるうちに愛着が沸いてきた。

こっちがミドリムシを見ると、それが分かるのかサッときんたま方面に避難するくせにすぐまた出てきたりしてかわいいところもある。仕事をしているとき、ヌッとお尻の中で感触があると、「ああ、ミドリムシよ…」と思って応援してもらっているような気持ちになる。

ミドリムシがどうやって私のダイエットに寄与してくれるのかは全く分からない。どっかの教授がマウス相手の論文を三流専門誌に発表して、それを新聞が取り上げてブームになってゆくのかもしれない。

ダイエットへの効果はさておき、私のきんたまの裏で丁寧に身繕いをして、たまに顔を(臆病なので)見せてくれるミドリムシに対して愛着が沸いてきたのは確かである。ひとり分だからめんどくさいと思って抜いていた朝ご飯も、「ミドリムシが腹を空かせて困りはしないか」と思うあまりにせっせと摂取している。これはダイエットにとっていいのか悪いのかさっぱり分からない。

それでも、孤独な毎日の中でお尻の中にミドリムシがいてくれるというのは悪くないものである。誰かのためにがんばるのは悪くない。その誰かがミドリムシというのはいただけないが。仲良くやってゆきたいものである。


ミドリムシダイエットが気になるという話を耳にしてから、そのことばっかりを考えてしまいます。事実とは相当な距離感を持って違うので注意してください。というか、だれかミドリムシダイエットを実際にやってみて下さい。

バイオザイム

バイオザイム

エリートミドリムシ