友のためなら/やぶれる
友達から助けを求めるメールが入りました。そんな時、大事な友達ならばやはりどうにかして力になるべきだと思います。どんな内容でも笑ってはいけません。笑ってはいけない事を分かってはいますが、なんとも複雑な気分になる時もあります。
天気の悪い夕方、友人からのメールが届きました。件名は「Re:この前のアルバム」となっており、本文には「しぬかもしれない」とだけ書かれています。その時、私の頭の中には友人Aが交通事故に遭遇して車の車体に挟まれる姿、急病で搬送される姿、押し込み強盗に遭遇した姿などが浮かんでいました。本気で焦りました。
どうしたのか確かめるため(押し込み強盗の可能性は低いと見て)電話をかけました。呼び出し音が鳴るばかりで、通話ボタンを押す気配は感じられずに、留守番センターへと転送されてします。仕方がないので、メールで状況を焦りながら確認しました。送信した内容は、
「今どんな状況?話せないの?」
三十秒も経たずに返信が来た。
「話せないよ。とても痛いよ」
私は、ちょっとイライラしてきました。大変な状況なのは分かるけれど、もうすこし自分の置かれた状況をきちんと説明してもいいのではないか、助けるためにも状況が分からないとどうしようもないよと。その内容を高速で書き込み、送信した。送信しながら「よく考えたら短いメールでしか状況を知らせられないほど悪いのかも」と心配になってきます。
返事はほぼノータイム*1で返ってきました。
「おしりがやぶれて血がでそうです。どうすればいい?」
おしりがやぶれる?私はちょっと「こいつは……説明しろって書いてもこれか……」と思いながらも、心配なので優しく「おしりはなぜ破れるのですか?意味が分からないので書いてきてくださいね」と笑いながら怒っているような文面で返信。
返ってきたメールには、ちょっとイライラさせるような泣き顔の絵文字と共に「四日間ウンチをしていなくて、今出先でトイレに入ったら、ウンチを出したくて出そうなんだけれども、そのままは絶対に出ないけれど出したい。破れて血が出たら救急車」
ようやく状況が分かってきました。大人っぽいとは絶対にいえないひらがなメインのメールでもようやく分かりました。(私の解釈では)便秘になっていて、久しぶりにウンチをしようとしたら、中にあるものが大きすぎて外に出て来れないのです。
ちょっとばかばかしいと思いながらも、急いでインターネットで調べ、丁寧にアドバイスしました。
- 無理に出そうとせず、無心になれ
- すっきりしたポジティブなイメージを思い浮かべろ
- 出口まで押し出し、また引っ込めるという、出口をほぐす訓練をしろ
- まだ出ていないのであれば、ウォシュレットを使うのがいいらしい
- 男は度胸、やってみろ
二十分後、経過を知らせるメールが来ました。
「いろいろやってみたがダメだ。もうしかたがない。あきらめた。貧血で倒れそう。いままでありがとう。やってみる」
まるで今生の別れのような悲壮な決意がそこには書かれていました。最悪の場合でも、痛くて大変だけれども痔だったら救急車を呼ぶほどではないので、私も気持ちが楽になりました。
十分後。
「ちょっと周りがひりひりして痛いけれど、何とか出た。これはすごいぞ」
添付画像付きのメールでしたが、ウィルスの危険性もあるので、ダウンロードしませんでした。人騒がせなと思いながら、机の周りの片づけを始めようとするとメールがまた届きました
「件名:流れない」
返信しませんでした。
今日の画像は「僕の△ 見てください」よりパクりました。勇気・冒険・失敗・欲がいっぱいつまったいいブログです。お昼ごはん時でなければ見てみましょう。