兵器・北朝鮮・大いなる力/福井晴敏
とりあえず読了したもの。とにかく機械(というか兵器)についての説明が詳しい。どの本にも、実直だけれども不器用なおじさんが出てきて、ホンワカとさせられる瞬間がある。よくこれだけのボリュームのものが書けるなと思うぐらいに勢いがある。潜水艦(終戦のローレライ)の中で描かれる少年兵の戦争への葛藤や、死んでゆく仲間への思いの記述の中に、主張が込められている感じ。悪者を描くときも、その人間らしい面を描くことにより、深みを増してる。「川の深さは」に出てくる政府機関によって育成された兵士は、「亡国のイージス」に出てくる如月というキャラクターか。*1
戦国自衛隊のノベライズ(というか原作?)はちょっと変わった製本で読みづらかった(細長特色)。戦国自衛隊だけはなんだか話が短すぎて消化不良。もったいない。本が重すぎて読み疲れた。でも面白い。ローレライとイージスを読むだけでいい(他の作品と差が大きすぎる)。戦争とか自衛隊に拒否反応を示す人にはだめかも。
共通して出てきたもの
- 天才的な戦闘能力を持った人(殺し屋風)
- それを助ける無骨なおじさん(死ぬ確率高い)
- 純粋でグズな人(ほぼ死んでしまう)
- 悪者だけれど、主義主張をきちんと持った人(死ぬ)
- 武器に関する説明文
- 大いなる力(政府など)
- 裏機関・裏計画
いい感じで話が終わるようで、よくよく考えたらいっぱい人が死んで、「最悪の事態」を免れたところで終わるのが多い。