海辺のレッスン 92歳の彼女がくれたもの/ジョーン・アンダーソン

海辺のレッスン

海辺のレッスン

これは92歳になっても軽やかに生きる女性との会話を記録したノンフィクションでした。シンプルな暮らしの中にあるものを見落とさないように、自分のした事を必要以上に悪く考えない、ばかばかしいと思ってやめてしまうことの愚かさを……と分かったような気になったけれど、私にはちょっとニュー・エイジ風すぎたかもしれません。文章のタッチは柔らかいのだけれど、読むのが難しかった。

子育てを終え、夫と離れ、これからの人生をどう生きればいいか途方にくれている「中年の危機」に差しかかった作家が海辺で偶然出会った毅然と生きる老人、作家と同じジョーンという名を持つ女性。今までの人生が正しかったのか間違っていたのかを考えても答えが出ない作家に、考えるヒントを与えてくれる。